生産者と消費者の集い「みやぎを食らう」
カテゴリー: 外食:その他
今年もまた、北村シェフが主催する宮城県産食材を生産者の皆様とともに味わう「みやぎを食らう」に参加してきました(昨年の記事)。今回は会場であるホテルレオパレス仙台が大町から仙台駅東口に移転新装したお披露目も兼ねています。そして、昨年、初めてこの会にクロソイを初出品した牡鹿半島の武田さんが、今度は目下、養殖技術を開発中の幻の高級魚ホシガレイを提供して参加しています。
すごい、武田さんのホシガレイ(星ガレイ)が特別出品として筆頭にリストアップされています(メニューはクリックで拡大します)。
毎回、40品以上の料理が供されるのですが、とても全部食べることは出来ません。また、全部を紹介することも出来ませんので、ほんの一部をご覧頂きます。ところでホシガレイの上に書いてあるスモーガスボードとはスウェーデンの言葉でブッフェやバイキングスタイルの料理のことです。あれ、北村シェフはイタリアンだったはずですが・・・。もしかしたら、和風の刺身をアンティパストから外したかったのかな。
会場は新しいホテルレオパレス仙台イベントホールです。
北村シェフはこちらのホテルのトラットリアクチーナオランジェリーで腕を振るっておられます。地元の食材を大切にして、それを美味しく消費者に提供する食材の伝道師です。
全日本司厨士協会宮城県本部の深見会長のご挨拶から始まります。
司厨士とは聞きなれない言葉ですが、西洋料理のシェフのことです。深見会長は宮城県西洋料理界の重鎮です。
続いて、ギバちゃん似の北村シェフのご挨拶。
いつもにこやかで人見知りしないご人望が生産者の方々にも愛されています。
それでは筆頭の武田さんが育てたホシガレイです。和食の刺身として供されました。
ホシガレイはヒラメを優に超える高級魚です。マコガレイやイシガレイと違って身にほんのり赤みが差すのが特徴です。養殖魚はよく臭みが残ると言われますが、武田さんはクロソイ同様、定置網に入る小魚を餌として与えていますので、全く臭みは感じられません(武田さんの養殖場)。早く商品として市場に出せるようになるといいですね。ホシガレイの周りにはカツオのタタキや赤皿貝(アズマニシキ)とタコの刺身ですが、いずれも産地直送です。
これは珍しい、タオヤギソウの酢の物が出品されています。
フノリとモズクの美味しさを合わせたような海藻です。生は鮮やかな紅色ですが、湯通ししますと緑に変化します。
ガラスの階段状の台に小鉢盛りが並べられます。
仙南のあまえくぼ(蚕豆)の素揚げや根白石の原木しいたけの炙りがアンティパストとして供されています。
この大胆な盛り付けは目を引きました。
日高見牛のコールドビーフやカプレーゼ(トマト、モッツァレラ、バジリコのサラダ)がドドーンと並べられます。コールドビーフには大きなカルチョーフィ(アーティチョーク)も添えられています。
ギンザケ(伊達の銀)のマリネと日高見牛のカルパッチョです。
伊達の銀は宮城県漁協のギンザケブランドですね。日高見って北上川の古名ですが、北上川沿いに発展した文明圏を日高見国とも言われたそうです。その中心である登米で日高見牛と名付けられた黒毛和牛とホルスタインの交雑種が肥育されています。高級感のある肉質と軽い脂が特徴です。
森林鶏(どり)のグリル長茄子添えとおこめ豚の無添加自家製ハムです。
森林鶏はネッカリッチ (森林酢)を飼料に加えて育てられます。低脂肪、低カロリーでありながら、ビタミン E が豊富に含まれます。おこめ豚は飼料用米を与えて育てられた豚のことです。米を配合した飼料での豚の肥育は全国的に取り組まれています。米を餌にするため、価格が若干高くなる場合もありますが、臭みのない肉質と甘みのある脂と魅力です。
おこめ豚のトマト煮と七ヶ浜直送のスズキのグリルです。
スズキにはイタリア野菜のビエトラが添えられています。実はビエトラは明治時代には日本に伝わり、沖縄ではンスナバーと呼ばれて日常使いの野菜として普及しています。和名は不断草、絶えることなく葉が出ることから付けられたそうです。日本に定着している不断草は茎が白いのですが、これは茎が赤いビエトラロッソですね。
こちらは米粉で作ったはっと汁だそうです。
近年、米粉利用が施策として進められ、新しい食感の食品が増えてますね。米粉ではっとを作ると韓国のトックのようになるのでしょうか。
さて、もう我慢できません。撮影に専念していると料理がどんどんなくなっていきます。^^
3ラウンドで決まりました。結構お腹に溜まるものですね。とてもパスタやリゾットまで手を出すことが出来ませんでした。
その代わりワインをしっかり頂きます。^^
スッピネリ社のサンジョベーゼ(赤)とトレッビアーノ・ダブルッツォ(白)どちらもリーズナブルな価格のがぶ飲みワインですね。どちらもマグナムで1500円くらいだったように記憶しています。でも、サンジョベーゼはバランスの良いミディアムボディな辛口で、なかなか良かったです。
深見会長が北村シェフの労をねぎらっています。
本当にいつもにこやかな北村シェフ。このような円満な方の料理は安心して頂けます。
生産者の方々のスピーチが始まりました。
美味しいホシガレイを早くみなさまに供給できるよう努力しますと武田さん。
早いものでもう、デザートの時間です。ブルーベリーとラズベリーですね。
フルーツはアッと間になくなります。
蔵王チーズのティラミスとタルトリュバーブです。
蔵王チーズ(蔵王酪農センター)では、マスカルポーネを作っていたかな。一般には販売していないようなので、業務用の商品があるのかも知れませんね。リュバーブはルバーブとも呼ばれ、主に北海道や長野県などの涼冷な地方で栽培されています。フキに似た赤い茎をよくジャムや砂糖漬けにしますね。
参加していた他の料理人の方々も仰っていましたが、これだけの高品質な地元食材でしかも食べ放題の飲み放題、立食とはいえ、5野口では赤字だろうとのこと。北村シェフも食材の伝道師としてこのイベントは、儲け度外視でやっておられるのでしょう。こうして、県内の食材が一堂に会しますと、宮城は実に豊かな県なのだなと再認識させられます。もし、東京都が地元食材だけでこのようなイベントをやったら、どのようになるでしょう。島嶼部がありますから水産物は豊富でしょうけど、その他の食材はどれくらい集まりますでしょうか。食料自給率が問い質されていますが、宮城自身は100%を超えるえる食材も多いでしょうね。
ホテルレオパレス仙台
所在地:仙台市宮城野区榴岡4丁目6-28
電 話:022-706-0001 ←ランキングに登録中です。クリックでご声援お願い致します。
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