名残のメカブで炒飯??
カテゴリー: 料理:海藻
メカブももう名残の時期でかなり大きく発達し、ずいぶん硬くなってきていますが、今年、最後に食べておきたくて、買ってきました。メカブはワカメの根元にできる成実葉、つまり生殖器官です。ここから、遊走子(胞子)を出して世代交代します。ご存じのように、粘液を多く持ち、海のトロロと呼ばれたりもしますね。
メカブの前処理ですが、茹でますとヌメリが強くなり扱いづらくなります。そこで、よく洗って冷蔵庫で1日乾燥させます。気温が低かったら、風通しの良いところで陰干ししてもよいでしょう。
こうしますと、滑らずに切ることができて安全です。メカブの耳を芯から切り取り、千切りにしていきます。微塵切りにしてトロロにする場合もありますが、千切りの方が歯応えが楽しめて好きです。
まとまったら、熱湯をかけ回して、加熱します。呉々も煮過ぎないように注意しましょう。
量が多い時は、小分けして冷凍しておきます。食べる時に同じく熱湯にさっと浸ければすぐに出来上がります。
メカブの魅力はヌメリですが、この鮮やかな緑も食欲を湧かせます。
熱を加えた後は直ちに冷水をかけて冷やします。色止めをしないとこの緑がくすんでしまします。
まずは生姜を乗せて醤油をかけて、新鮮な味わいを楽しみます。ご飯にかけて掻き込むのが一番ですね。
加熱して刻んだ物も売ってますが、香りや甘味が違います。面倒でも生メカブを料理した方が幸せになれます。^^
さて、本題の炒飯ですが、小口に切ったメカブの他には、卵とハムと長ネギくらいです。
味付けは塩胡椒、隠し味程度の醤油です。メカブから旨味が出ますので、余計な粉末は味を曇らせます。どうしても旨味を強くしたい時は塩や醤油をナンプラーに替えてみて下さい。
卵は別に粗めのスクランブルにしておきます。その他の材料を炒めていきますが、早速、粘りが出て参ります。
これで、パラパラの炒飯になるのだろうかと不安になりますが、なりません。^^ いわゆる、納豆入り炒飯のようになるのです。
具の材料が炒まったら、炒り卵とご飯を加え、切るように混ぜ合わせていきます。
鍋を振ってもパラパラと跳ね上がりません。ひたすら、木べらで練らないように混ぜてきます。塩胡椒、鍋肌から焦がし醤油で調味して完成です。
こんな感じですね。ヌメリが全体をまとめてくれています。
卵のふんわり感とメカブの歯応えが対称的で面白い炒飯になります。
もう1品。千切りメカブの中華風スープです。
鶏ガラスープ(粉末や顆粒を使う場合でも、鶏皮や挽肉などを加えますと数段美味しくなります。)に塩胡椒と醤油少々で調味し、出来上がり際にメカブの千切りを加えます。他には豆腐の賽の目を入れています。
メカブは今でこそ、健康志向も手伝ってすっかり食卓に定着しましたが、30年ほど前の東京では、乾燥物しか手に入りませんでした。それでも、十分に美味しく、水で戻して割り醤油に漬け込んで食べていました。それが、みちのくに戻ってから新鮮な生メカブが食べられるようになったのですから食いしん坊にとっては実に口福なことです。今年のメカブはもう終了ですが、千切りを2、3回分冷凍保存しましたので大切に食べていきましょう。


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